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天 生 縁 分

天 生 縁 分

思い出

私と、子供たちの思い出。

それは、「御宿」の海である。
きっと、関東の人しか、知らないだろうが、千葉の房総にある、とある海水浴場
なのだが、
童謡の「月の砂漠」が作られた場所、、といえば聞いたことがあるかなぁ。

私が、離婚して実家に戻ってきたのは、娘8歳、息子4歳。であった。
子供たちは、さみしい気持ち、不安な気持ちを抱えて、子供なりに私を悲しませないように、明るくしていたように思う。

当時、お金がなかった。
意地をはって、なけなしの貯金をはたいて、アパートを借りたりしたもんだから
余計、お金がなかった。
それに、将来のため、一円でも多くお金を貯めなければ、と思っていた私には、
贅沢は敵!!節約こそ美学!!だったのである。

しか~し。。
夏休みには、みんな海や、山へ行く。
「夏休みの思い出」なんていう作文も書かされるわけで。
母子家庭だからどこにもいけない。なんていうのはかわいそうすぎる。
そこで、考えた。

当時、私の祖父が、バブルの頃に悪徳業者に言いくるめられて買った、
リゾートマンションが、御宿にはあった。
しかしその物件は祖父の死後、父の兄、(叔父さんね)が管理しており、
なかなか海水浴シーズンには借りることが出来なかったのである。
でも、なんとか、8月の一番最後の週を、借りることが出来て、
毎年、一週間休みを取り、8月の最終週は、御宿のマンションで過ごすというのが
私たちの夏の過ごし方、になった。

もちろん、8月の終わりといえば土用波がたち、くらげも出ているので、
海に入ることはあまりない。
それでも、マンションの前にある町営プールは8月末までやっているし、
海の家や、おみやげやも、夏の終わりを惜しむように営業していた。

私たちは、
朝、海辺を散歩し、昼間プールへ行き、昼寝をして、夜また海辺散歩にいったり、花火をしたり。
私と息子と娘、三人だけで、夏休みを過ごした。
一週間もいると飽きて、車で鴨川シーワールドへいったり、
なめかわアイランドへいったり、のこぎり山に登ったり、いろんなところへいった。
ずっとずっと3人で過ごした。
雨がふって、一日中ゲームをして過ごしたりもした。
マンションの7階だったので、布団に寝てても海が見える。
ベランダで夕涼みしながらいろんな話をしたなぁ。
時々、予定をあわせて姉夫婦や、友達夫婦と合流したりしたけど
だいたい、その日の予定をその日に決めるようなかんじで、
普段は子供にあわせることが出来なかったけど、
この一週間はとにかく子供のことを優先に過ごした。


それは、楽しく、静かなそしてちょっと寂しい時間だった。
子供たちが、大人になったとき、どんな風に思い出すのだろう。

今は、みんなの時間があわなくなり、
御宿へ行くことができても、2,3日で帰ってくるようになってしまった。

そして、
祖父がなくなった今、おじさんは、御宿のリゾートマンションを、売りに出すらしい。
いつか、
子供たちが大人になり、自分たちの守るべき子供をもったとき、
こんな風に海を見て、
そして私たちが、三人で、のんびり、みた海を思い出してほしい。

一人で、意地をはって、子供を幸せにしようといきがっていたあの頃。
子供たちは、、幸せだったのだろうか。。。



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